コマツストアーが欠くことのできない「四つのネス」と「小味なサービス」

　お客様おもてなしするうえで、ギンザ・コマツのスタッフが日々心がけてきたのが『四つのネス』という言葉です。これは創業者・小坂武雄が残したもので、記されたのは今から５０年以上前のことです。しかし、その心は現代の私たちに確実に息づいています。

　「繁栄は、カインドネス（親切）、クイックネス（迅速）、クリーンネス（清潔）、ソートフルネス（思いやり、相手の身になって考えること）の四つの『ネス』にある」（小坂武雄著『新しい商人』より）

　ギンザ・コマツはいわゆる百貨店とは違います。大規模な小売店に比べれば、売り場の面積は小規模、紹介できる品物も限られています。しかし、一人ひとりのお客様ときちんと対話ができ、ご要望にもすぐ対応できる。小規模だからこそできる、きめ細かやかなおもてなしを心がけています。それを創業者は「小味のサービス」と名付けています。

　私達はショッピングを商品の「売る」「買う」だけの行為ではないと考えています。銀座の地に足を運ばれるお客様に、有意義と感じていただける時間と空間を提供していきたい。自分が気に入った品と出会うまでの過程で、お客様にお手伝いできることはなんだろう？そんな想いが『四つのネス』には込められています。

　多くの人が持っている百貨店に対するイメージは画一的かもしれません。多量な商品が並び、多様なブランドが並ぶ……と想像する方が、ほとんどかもしれません。私たちは、そんなお客様の予見を脱却すべきようなあり方をしてきました。

　商売のことだけを考えれば、来店者を多く見込めるかもしれない戦略や販売促進の打ち出し方があります。しかし、そこではない場所に力を入れてきました。そうした余白にこそ、私たちならではの個性が表現できる。創業者はそんな考え方を『小味なサービス』と表現したのだと思っています。

　『四つのネス』と『小味なサービス』はギンザ・コマツにとって、欠くことのできないコンセプトです。世界中のどこの店にもない、ギンザ・コマツだから味わえる素敵な時間と空間を皆さんに楽しんでいただきたい。そんな気持ちを創業から大切に継承してきました。そして、これからも「四つのネス」と「小味なサービス」の心を忘れずに、お客様に接して行きたいと思っています。