百貨店にとって、ショーウィンドウとは何か。答えは簡単に思えるかもしれません。最もコストがかからずに販売促進が行える身近なツール。もしかしたら、それが多くの解答かもしれません。その解答も、決して間違っていないでしょう。しかし、小松ストアーにとってのショーウィンドウとは、それが答えではありません。
お客様と繋がる唯一の窓。お客様と関係を持てる最初の扉。それが小松ストアーにとってのショーウィンドウです。
創設者である小坂武雄は、ショーウィンドウの狙いは通りがかりの人たちに親しみを持たせることにあると語っています。(小坂武雄著『新しい商人』より)品物を目一杯飾るというのは、販売戦略の上では大変有効かもしれません。しかし、店先から店内を見通せなくては、その店に親しみが持てない。それでは、小松ストアーらしくはない。
では、小松ストアーらしさとは何か。それはお客様お一人お一人との関係を大切にすることです。商品を買って頂く、お売りするというのも、やり取りをするのは、やはり人。そこには、人と人の関係があります。たかが売り買いの間柄、しかし、そこにある関係性を大切にすることによって生まれる付加価値というものを、大切に思っています。
それはお客様との間柄に留まらず、テナントとして入っている各店舗一つ一つとの関係にも同じ事が言えます。一つ一つのコミュニケーションを大切にすることによって、そこにはかけがえの無い財が生まれます。そして、そういったものが、大切な財産のとなってきたと思っています。そして、人と人の関係、一つ一つのコミュニケーションを大事にしてきたからこそ、小松ストアーならではの「らしさ」を、お客様に提供してこられたのだと考えています。
話が脱線しましたが、このように、お客様お一人お一人と関係性を築けるためには、ショーウィンドウは親しみを持ってもらえる窓でなくてはならないと、今も思っています。
また、このショーウィンドウは、ある時には、お客様に夢を持って頂くための窓へと役割を変えます。創設者である小坂武雄は、こんなことも言っています。お客様より、ほんのちょっと先の生活をウィンドウに出していく。実現の可能性の濃い夢を並べるのだと。そして、その夢に近づくお手伝いをするのが小松ストアーの役割であると。(小坂武雄著『新しい商人』より)お客様のお手伝いをするための関係性を築く、最初の第一歩を担うのが、夢をみせるというショーウィンドウの役目でもあるのです。
小松ストアーにとってショーウィンドウは、お客様との関係を繋ぐ大切な窓です。いつまでも、お客様に夢をみていただけるような窓、親しみを持って頂ける窓を、ご用意できるように心がけたいと思っています。お客様との間を繋いでくれる大切な窓を通して、これからも多くのお客様と出会える事を楽しみにしています。